今日、日本企業は新しい成長路線にのり、次のステージに向けた拡大の方向へと進もうとしている。具体的には、グローバル化の動きに対応して、新たな透明性とコンプライアンスを構築し、海外企業との連携を推進している。また、M&Aも新興企業にとどまらず、伝統的な大企業においても現実的な選択肢の1つになってきた。
一方、ITの領域では、ソフトウェアの新しい調達モデルであるサービスとしてのソフトウェア (SaaS) やサービス指向アーキテクチャ (SOA) を使った開発、ハードウェアとソフトウェアにおける仮想化技術、中国やインドに代表されるオフショアへのアウトソーシングといった、これまでの社内情報システム部門の在り方を覆すような大きな変化が起きている。
このような時代には、『不易流行』と言われるように、各企業の社是に示される企業の存在意義を基軸として、変化に対して抵抗のない企業文化の確立と、変化のスピードに合った情報システムの実現が必要となる。この戦略を構成するものとして、以下にビジネス上の重要課題を6つ挙げた。Gartner Symposium 2007では、これらの課題に対するITの役割について議論し、その解決策を提示していく。
新規顧客開拓やマーケティングから顧客関係管理 (CRM) に至る全プロセスにわたり、テクノロジは顧客獲得、ロイヤリティや顧客満足維持のための強力な要素を担う。ビジネス・インテリジェンス、営業支援 (SFA)、CRMなどのテクノロジおよびサービスによって、組織がいかにして顧客中心主義を実現するかについて検証する。
生産性の向上と費用の抑制は、テクノロジやサービスを導入する最大のメリットであるが、これらは既に長期にわたって行われてきているため、今後さらなる効果を生むことが難しくなっている。競争という側面では、ITは新規参入への障壁となることもあれば、逆に障壁を取り除く役割を果たすこともある。NGN、仮想化、SOA、オフショアリングなどを含め、企業が収益を最大化するためのテクノロジとサービスとは何かを考える。さらにインターネットをはじめとするITのさまざまな要素が、競争優位性を向上させるのか、低下させるのかについても議論する。
ガートナーのリサーチでは、「ハイパフォーマンス・ワークプレース」という言葉を使用して、今後の業務環境のトレンドを示している。従業員の採用から訓練、仕事の成功に必要な生産性ツールの提供に至るまで、従業員を効果的に生かす上でITが果たす役割に注目する。ITの専門家から工場労働者、接客業に至る多様な職種について、必要となる各種エンタプライズ・アプリケーション、ポータル、エンタプライズ・コンテンツ管理、コラボレーション・ツールなど、数多くのテクノロジとシステムの可能性を探る。
これまで証明されているように、どのような市場においても、成功の鍵は革新に対して迅速に取り組む能力とそれを実行する能力である。すなわち、新しい製品とサービスをいち早く市場に展開すること、より効率的な新規のプロセスを、できる限り混乱を抑えて導入すること、組織の大小にかかわらず、市場力学に適応する俊敏さを備えることが重要となる。このような俊敏性と革新性はITに大きく依存している。アプリケーション、インフラストラクチャ、サービス・デリバリにおいて、組織が俊敏さを保つことができるようなテクノロジ、サービス、ビジネスモデルを考える。
ビジネス・プロセスの合理化にITを活用することは、組織の成功にとって重要な要素である。すなわち、プロジェクト管理、エンタプライズ・コンテンツ管理、ERP、人材管理、ドキュメント/ワークフローなどの活用である。ITによってあらゆるプロセスを、時間と質の側面、またビジネスの総体的メリットの側面において、向上させることができる。
セキュリティ、コンプライアンス、リスク管理は、通常は大きな話題にならないが、重要性において劣るものではなく、ビジネスの成功にとって無視できない要素である。つまり、問題が起こったときに初めてその存在を実感するのがこれらの要素であるともいえる。組織内外のセキュリティ事件の発生を防ぎ、常に最新かつあらゆる規制および基準に準拠し、確実にリスクを遠ざけて身を守り、それを保証するために組織が検討すべきテクノロジおよびサービスを取り上げる。これらをどのように一体化すべきなのか。グローバルなエンタプライズ・ガバナンスを可能にするツール、テクノロジ、原則について考える。
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